――ねえボス、僕たちはひょっとすると、このままずっとこの船から降りられないかも知れないよ。
『はぁ?死んじまってるのにあの世にも行けねぇってのか?地縛霊かよ』
うーんちょっと違うような当たってるような…
まああくまで僕の見立てが正しければ、だけど。
[まあ見立てが正しくとも、きっとこれが最善の手立てであろう。
僕たちは殺しすぎた。ボスの人格は僕が完全に掌握したけれど、『僕』もまたボスの記憶を共有している。
僕にもまた人狼の自覚があるということだ。
僕たちは殺しすぎた。殺しすぎて人一人の命の重さが、米粒程度の感覚しかない。それは僕も同じ事。
多分今の『僕』が生きていたら、腹の虫を抑えるためにハンバーガー感覚で人を殺すんだろう。それが自覚出来るがゆえに、死んで捕食衝動が失くなった事は本当に助かったと実感する。]
――これで良かったんだよ。結末がどうであれ、しっかり見届けようじゃないか…*