― 少し先の話:一人Nルームで ―
[カサンドラ達の会話の中の「ウイルス」という単語で思い出し]
…確か乗務員の女の子がウイルスで重篤なんだよね。
この部屋に居るのかな…
[Nルーム内のコクーンを順々に覗いていく。
先生やアリーセや自分や、緑髪の青年(アデルと言ったっけ)らの亡骸が銀の繭の中で眠る。]
『ひっでぇなあ、こりゃまるで霊安室だな』
そういうの、あんまり言うのよくないよ?
[ハツカネズミはケケケケと悪趣味な笑いを立てた。
鼠を咎めながら繭を眺めていくと、やがてその中の一つに、
桃色の髪の女の子が眠っているのを見つけた]
あ、この子だ。
[女の子はコクーンの中で静かに眠っている。]
『はん、死体と同じ部屋に入れられるなんてな。』
だからそういうこと言うのは止めな、よ――?
[再び鼠を咎めようとした、が、この言葉で頭の奥に僅かな疑問が湧いた。