フッ、クク…アハハハハハハハ……。
やっぱり無意味だった…。それにあったところで何を…?
[乾いた笑いが出た。笑うしか、なかったのかもしれない。
自分を自分たらしめていた何かがぽきりと折れてしまった気がした。
最初はこの部隊に興味などなかった、しかし。
以前に似たような部隊があり、同じ場所を目指すと根も葉もない噂を聞いた。聞いてしまった。
上司に軽い侮辱を投げたのはわざとだった。]
―――この程度で権力だけを振り翳すなど愚の骨頂ですね。
新参兵からやり直してみては?…まあ、すぐに死ぬと思いますが。
[仲間などいらない。親しい者などいらない。大切なものなど、いらない。
全てを切り捨て、残さず、想わず、独りで生きてきた。
何もかも全て自分たち家族を捨てて国を出て行った、父親のせいで。]