シメオンは死ぬのなんて平気だったのです。
シメオンは だれのシメオンでもありませんでした。のらシメオンだったのです。
シメオンははじめて自分のシメオンに なりました。
シメオンは自分がだいすきでした。
なにしろ、りっぱなシメオンだったので りっぱなのらシメオンになりました。
どんな変態も、シメオンの相手になりたがりました。
鞭を プレゼントする 変態もいました。
上等の特別武器で殴りだす変態もいました。
シメオンは言いました。
「おれは、 100万回も 死んだんだぜ。 いまさら おっかしくて!」
シメオンは、誰よりも自分が好きだったのです。