――幕間―――[夢を、見たやせ細った小さな身体を丸めて、穏やかに眠る幼い子供。そのぱさついた金の髪を撫でる暖かな掌の主が、かつて恋焦れた兄のものだったのか、現在想い慕う先生のものだったのか、眠い目を擦ってその眼を開いて確認しようとしても、ぐずる子供を宥める様に撫でるその掌の暖かさが、滲む優しさが瞼を更に重くさせて、ずるずると微睡の淵に引き戻されるから判らない。けれど、どちらでも構わなかった。安心しきって「彼」に身を委ね、甘えて深い眠りの淵に落ちて行く…]