『……いつまで寝ているつもりだ、馬鹿者』 ……へ? 『まだ、為すべき事は残っていよう。 さっさと起きんか』[聞き覚えのある声と、物言い。それは、ただ虚ろに漂っていた意識を少しだけはきとさせる] ……その、無駄に偉そうな物言いは…………兄者?[言ってから、ちょっと待て、と思う。兄は死んでいて、声が聞こえるはずはなくて。じゃあ、なんで聞こえるんだ、と思っていたら、大げさなため息が聞こえた]