[それからというもの、最後の晩餐と、リラックスさせる薬草、そしてつかの間の心の安らぎを与えてだまし討ちにする日々が続く。やがて自分で“獲物”を捕らえて来るようになっても、功を奏して、あまり苦労しないで食餌にありつけるようになっている。もがき苦しみ、悲痛な思いをさせて血を啜るのを好む吸血鬼に当たった人間は可哀想だとは思うが。…むしろ自分のような吸血鬼のほうが珍しいのかもしれない。苦しめずに、食餌を得る吸血鬼のほうが。]