[レコーダーを置かれていた場所に戻す。
エレオノーレの言葉が心に残った。
テオドールだけでなく、彼女まで、私たちの誰かを星の夢に廃棄すべきだと。
その淀みない口調には何かの決意があるように感じられた。]
…エリー…。
…もしかしてアデルの事を…
[誰にでもなく呟く。
仇討、という単語は本で読んだ事があった。
愛する者が討たれ、その敵を討つ。
読んだ時はその激しい感情を理解することなどできなかった。
それが、普段優しい印象のエレオノーレの口から出たことに驚きを隠せない。
それほどまでに彼の事を…?
その気持ちを知りたい、と思う自分は、バグよりも恐ろしいと思った。]