― 10余年前冬 ―
おばーちゃん、なんでオットーはごめんっていうの?(>>198)
わるいのはゲルトだったんだよ。
[ 裂けたぬいぐるみを繕う老婆の横で、幼いパメラは訊ねた。 ]
[ 老婆は実の祖母ではない。「おばあ様」のところへウサギを連れて行ったら、新しいぬいぐるみを買ってあげましょうね…となってしまう。だから村の「おばーちゃん」のところへ来たのだ。 ]
『そうねえ…あの子が優しくてまっすぐだからかねえ。
なんでもぜんぶ助けられたらいいと思っているから、できなかったことに謝ってしまうのかもね?』
…なにそれ。むずかしい。わかんない。
『…。』
[ 老婆は困ったように笑う。 ]