[脚をもつれさせながら出ていった伝令の後ろ姿にふんと鼻を鳴らすと乱暴に扉を閉め、どかりと椅子に腰掛ける。]これで私も、厄介払いの仲間入りか。[独りごちる様子に悲愴感はなく、むしろ吹っ切れた様子であった。己を引き入れようとしたのは、操り易そうだと見くびられでもしたか。……或いは、強硬に断ることを予測してわざと情報を吹き込んだのやもしれぬ。]