[瞳に琥珀が揺らぎ、その言葉にホロリと涙が溢れる。気がつけば、懐かしい、愛おしい匂いに包まれ。もうその手も唇も愛おしい人に触れるのは叶わないけれど。]愛……して……る………[絞り出した声は相手に届いただろうか。───その刹那、鼻腔に届いた血の匂い。血の味を知った獣の本能には最早抗うことは不可能だった。視界が朱に染まり、爪先に鈍い感覚と胸に鋭い感触。そして、思考はそこで──途切れた]