[すると、弟は嬉しそうな声を上げて笑っていた。
きらきらとした輝くような笑顔を此方に向けていれば、翠の瞳が真ん丸く開き、つい笑顔を零してしまう。
反射的に母の顔を見遣れば、母も優しい笑顔を向け微笑んでいた。]
ウェルシュが、わらったよ!
[ぱぁっと明るい笑顔が生まれ、何度も何度も弟の頭を撫でてみれば、弟は嬉しそうに笑ってくれる。
幼い兄弟のやり取りを見た母は感極まったのか、此方の体を抱き寄せてくれる。
またそれも嬉しくて、笑顔を浮かべ、母と弟の温もりに幸福感を感じ、また弟の頭を撫でてみせた。
父は言葉では無く、実際体験させて教えてくれる意味で促していたのだ。
その意味を知るのに幼すぎて意味を理解出来なかったが、これを切っ掛けに弟を叩く事は無くなった。]