↓兄が、いた。俺を雪から守ってくれるような体勢で。震えた吐息で、声で言った。『フィオン、お前、は…生き、ろ…な?』真っ青な顔で笑う兄ちゃん。それじゃ、かっこつかない、馬鹿。体温を分けるように抱きつけば、顔だけ逸らして助けを呼ぶも、声は雪に吸収されて無音になって。やだ、やだ。このままじゃ、兄ちゃん、死んじゃう。しかし積もる雪は重く重く。掘ることさえもできなくて。一層ぎゅう、と抱きしめるも異常なほどの震えは止まらず。↓