[振り返る幼馴染の姿に息を呑む。それは彼女から一番遠いものに見えていた、罪に囚われた姿]……聞いてやれなくて、ごめん。[後悔の宿る男の瞳に、けれど恐怖の色はなかった。人を殺めて血に塗れていても、彼女が大切な存在であることは何も変わりない。何より、その人は今泣いている。あの漠然とした不安の正体も、これではっきりした。もう何も恐れることはない]ヴィオ、俺は。[どうして、の問いに、答えにならない答えを返す]きっと君が考えているより、君のことが好きだから。