──回想・約15年前──[都から遠く離れた辺境の村。いつもはのどかな空気のこの村も、数年ぶりの王直々の視察とあって賑々しく浮足立っている。物心ついてからは初めてのその行事を待ちわびていた、少年ヴェルナーとて例外ではなく]っし、終わったー![行列を見に行くなら宿題を終わらせてから……という両親の言いつけを律儀に果たし終えると、大急ぎで階下へ向かい]終わったよ! 行ってきます!![取るものもとりあえず、目的地へ駆け出す。]