[用意していた挨拶をしただけなのに、毒気が抜けた様子を見て、くつくつと笑う]いやあ。あんたのそんな崩れたカオが見られたなら、なにより、だ。道化師だって?なに、別に道化師であろうとも心配する必要はないと思うが——?[”ただで刈られてやるつもりは無い”。そう宣言する声と、バルタザールの指が白い石の表面をなぞる動作に。ゾクリ、と背筋を這う気配。その身をひと震いさせ]