ワタシはエレオノーレ。
お仕事は調香師。
ワタシの身体…特に指先には香の香りが強く染み付いていマス。
ワタシは嫌いではないのデスが、皆さんは嫌なようで…。
まあ、基本的に調香の為に部屋に籠もったりしているので、他人とはアマリ接しないのデスが。
そんな時、お得意さんから、面白いお話を聞きマシタ。
「エレオちゃん、知ってるかい?最近、人狼が出るってもっぱらの噂だよ。」
『人狼さん、デスか…?』
「あぁ、この近くの村にも出たって話だ。気をつけなよ。」
そう言って、お得意さんは帰って行かれマシタ。
…なんて、素敵なお話ナノデショウカ。
ワタシは人間でありながら、狼さんの味方をしたくなりマシタ。
ワタシは食われても構わない。
狼さん――ご主人様が満足出来るのならば。
ワタシは、狂人と呼ばれるモノにこの身を堕としたのでした。