―昼・森―[静かな黒い森の中で、ルートヴィヒは風の音を聞いていた。どうにも放っておけなくて、その内実を知りたくて、"力"を行使した相手が、いつもここにはいない誰かを追っていると見れば、密かに胸は軋む。] ──あいつは誰を追っとるんやろ?[誰かをずっと、待っているのだろうか?] 大きなお世話やろけど、さ。 "そこ"は寒いやろ…?