[>>-2四神朱雀にも似た炎色の鳥を発現させた亜梨沙が、鋭い声を以て結界内に閉じ込めた黒い靄の浄化を命じる>>-3。
やがて炎に食われた様に黒い靄は浄化され、周囲の澱んだ空気がなくなる]
……亜梨沙は凄いね。
私は断ち切り、結界を作る事しか出来ない。こうやって瘴気の類いが散ってしまえば、浄化なんて出来ないもの。
……丑ケ谷と未谷が力を合わせる事が出来れば、きっと傷つくものなく祓えるのにね。
[ぽつりと洩れたのは、家の教えに背く言葉。
けれど玲緒自身が見た、亜梨沙の術へ、そうして丑ケ谷の者に対する素直な気持ちだった。
素直な気持ちと言えば──……]