ここにも狼さんが来た。
ワタシは全力を尽くすつもりだった。
美しい銀の毛並みを持つ、美しい人狼。
月夜に、人間に牙を剥く。
ワタシは狂人だと、ご主人様に伝えられなかったようだ。
若干、真視は受けていたが、憶測のまた憶測。この場合、ワタシはただの寡黙だ。
占い師を騙っているから処刑にかからない。
ワタシは、ご主人様の役には立てなかったヨウダ。
悔しいが、これがワタシの実力なのだろう。
寧ろ、ご主人様のお腹に入れたのだから、喜ぶべきなのだろうか。
あぁ、ご主人様。
あなた達は何を思い、ワタシを噛んだのデスか…。