【見】 貴族 ジル

― 村内/船着き場 ―

[村に着いたばかりの日に滞在を決め、越冬の買い出しの中に混ざる。
こうしたお使いは普段なら従者だけにお任せだけど、さすがに不慣れな土地で、他に身よりがいない以上、一人で留守番するわけにはいかない。
ぼくらはこの村の人々にとって、明らかに新参者だから、人が集まるところに出ればどうしても目立ってしまう。
興味をもって遠巻きに観察されるか、話しかけられる事もあった。彼女もそんな、話しかけてきた中の一人だった。>>1276]

　こんにちは。
　ぼくたちは今日、この村に着いたばかりなんだ。
　滞在するなら物資の買い出しが必要だというから、同行させてもらう事にしたんだよ。
　
　ここは、……うん、いいところだね。