─ 紅榴城 ─[よく手入れされた古城は、城主自身の纏う印象よりも重厚で陰鬱な空気をはらむ。くるりとターンして翼を広げ、背へ畳めば赤毛が垂れた] そうだ……今は他に、ある兎ちゃんが遊びに来ていてね あの子はお茶の類が大好きだから喜ぶだろう ただ、人の子を見るとうっかり食べてしまうかもしれない、首を刈られぬよう近寄らずにおくのがいいよ[首刈り兎とかに気軽にエンカウントする魔境であることをにこやかに告げた]