若輩とは呼べまいが、最長老というほどでもないよ
[謝罪には肩を竦めるようにして微笑んだ。
あの日ここで狼士に遅れをとったところを、知己の同輩に見られたのだったか。
それが彼の方を面白がらせたらしいのも、朱の褥に変化つける刺激となったのだから、日常は万事これ愉悦のひとつらなり]
お招きしよう、濃藍の君
シュトーレンはあったかな…
[小袋から漂うふくよかな香りに目を細め、距離を滑らかに詰めて腰を抱き寄せるよう腕を回す]
私達は血を啜る者、
生ける屍と覚えておくれ
お茶よりも喜ぶ土産をお持ちだろう?
[赤い翼が二つの人影を包み込み、吐息ひとつの間の後には、そこには月の照らす闇だけがあった]