>>1238
[地を蹴り距離を詰め、繰り出したレイピアの連撃。鋭く軽やかな剣閃は、同時に剛剣の重さを兼ね備えていた。魔王の魔力を帯びた刃が、守勢に回った姫騎士を襲う。]
ふははっ、先の技の冴えはどうした?
利き腕が使えぬでは、その程度か。
[だからといって敵への攻撃を弛めるようなことは無い。徐々に後退させるほどまで追い詰めていくうちに、娘の胴鎧には更なる傷が刻まれ、腕や脚の着衣も少しずつ切り裂かれていく。]
この状態では、逆に――?
ふっ、――隙があるぞ、そらっ!
[動きが鈍り始めたリミテッドの剣。
刀身の中程を強く打ち据えた。
折れこそせぬまでも、高々と弾き飛ばされていく姫騎士の得物。それが地面へ落ちる迄の間に――]