神父 ジムゾン

[そういえば、村の外から帰って来たときは、
「お化け？」などと酷く驚いた様子だったので、>>1088
こっちの方がきょとんとしてしまった。

いや、冷静に考えれば分かるのだ。
あのときの状況で、誰が生きて誰が死んだかなんて
マトモに伝わるはずもない。
あの町に、村の教会の神父の息子がいたらしい、
そりゃ死んだな、うん――くらいの伝言ゲームで、
村を訪れる旅人が厚意で知らせてくれていたのだろう。

いや、でも思い返せば、
そんな簡単な成り行きに咄嗟に思い至らなかったのは、
オットーの反応のせいもあると思う。>>1075
ディーターより前に出くわしたアイツは、
表情も変えずにこちらを二度見したので、
『よう、久しぶり！』とごく普通に挨拶し、
まさか自分が死んだと思われているなんて
気付かなかったのだ。
後で思えば、うん、オットーだからそうだよな…
と大層納得した。

ともかくあのときは、
え、俺って実は死んでるのか…？　
と一瞬考え込み、
ツッコミ不在の状況となったものである。]