神父 ジムゾン

[神学を学びに村を離れていた数年程を除き、
この狼月村で生まれ育った身である。

（村を出た理由は、まあ村の連中は知っているし、
　途中死亡の報せも村に届いたみたいだから、
　自分が村に戻ってきた時には幽霊扱いされた。笑う）

住んでいる者の顔は当然皆知っているし、昔馴染みも多い。
村でも生粋の飲兵衛であるところのその男のことは
当然のこと、よく知っている。
歳も二つか三つか、そのくらいの違いだったはず。
この頃は態と『おっさん』とか呼んでやることもあるが、
それは己にも近々帰って来る言葉なのである。

子どもの二歳差は大きいけれど、村の規模からして、
近い年の子どもというのは抑々珍しいもので。
悪ガキであったところの自分は、
『かまえよ！！』とばかりに
突撃して行ったことも良くあるので、
こちら視点昔馴染み的な間柄である、とは思う。

今も碌でもないカテゴリに属する者の
ちょっとした共感はあるが、
果たして向こうとしてはどういう認識かは、さて。]