やれやれ、[まだ立つか。その呆れたような嬉しいような思いを短い声と表情に乗せたのは一瞬。周囲はやんやの声援だが、さて。互いに満身創痍、腕に力は入らず腹には互いの打撃を受けてフラフラだ。次かそこらで決まるかと思い定めたのは、恐らくは彼も同じことだろう。] ───── 、ふ っ 、[ぐいと腕が引かれた。ほぼ同時に叩きつけられる足。右から肩を入れるようにして右足を払わんとする意に、男は腹に力を入れて]