旅人 ニコラス

[ドアを開けて男湯に入れば、湯気の向こうに見知った赤い髪>>1015が見えた。
早速手を軽く上げて挨拶をする。]

ディーターか。お久しぶり。
僕は今日狼月の村に戻ってきたところ。

[背の高い同じ年頃の男性は、知っている限り最も酒を好む人物である。
会うたびに素面よりも、飲んでいるか二日酔いで苦しんでいるかの二択状態である方が多い気がする。

何度か酒を一緒したことはあるが、コップ１杯の中身が減ったか減らないか分からない程度にちびちび味わってたしなむ自分と比べたら、ハイペースで酒をあおる彼には非常に驚いた。

因みに自分は、酒よりもおつまみのナッツ類をカリカリと齧っていた覚えがある。]