旅人 ニコラス

[図書室へ向かう途中、クララの言葉>>909が耳に届いた。

一瞬意味をとらえかねて、こっそり首を傾げる。
図書館での司書は、たくさんの本に囲まれて、いつも忙しそうに仕事をこなしていた>>909ように見えた。
狼月の村は伝承も多く、それに関する書籍も揃っているから、さぞやりがいのある仕事で毎日充実しているのだろうとばかり思い込んでいたのだ。

けれども、実情を知らない部外者が想像できないような何かを彼女が抱えているのか。はたまた仕事とは無関係の夢とか希望とかを抱いているのか。

詳細は分からないが、聞こえてしまった以上黙っているのも無粋だと思い、思い切って口を開く。]

大丈夫です。人は前に進みたいと願った瞬間に、変わることができます。
あとは、具体的にどこを目指すかをイメージし、自分を信じればいいと思います。

[クララがどんな反応を示すかは未知数であるが、自分の考えを述べた。]