羊飼い カタリナ

［　ぺーくんとの出会いは5年前
　　私のおじいちゃんが死んだ時だ。
　　交流の希薄だったおじいちゃんだから、
　　教会で営まれたお葬式で参列したのは
　　殆どが教会の関係者だった。
　　その中に神父様たちに混じり
　　見慣れぬ子どもの姿があった　と思う。

　　冷たい雨が頬を叩く中おじいちゃんの眠る墓標から、
　　押し寄せる孤独を振り払うように頭を振り
　　群衆へ振り返る。
　　別に誰かに向けたわけではないのだけれど
　　その時の私の目はとても冷たいものだったとはずだ。

　　自覚もなかったし、あったとしても取り繕う余裕は
　　きっとなかったのだろうけれど

　　その見慣れぬ子が、親の事情で預けられた子だと
　　いうのを知ったのは>>651それから一年、
　　初めて一人で放牧を終えて帰村してからのこと。
　　ちょうど彼が反抗期を迎えた頃>>655
　　ぺーくんと初めて話をしたのもその時だろう ］**