――なんだ?なにか、おかしいか?[雰囲気が変わる、という言葉には、ぴんとこないように首をかしげた。――それより、眼鏡をかけたヴィンセントのほうが気になって。やはり、顔立ちで雰囲気が変わるわけではないのだな、と納得した覚えがある。眼鏡をかけた彼は、変わらず清楚で、ルートヴィヒにある傲岸なまでの自信は、かけらも見えなかったのだ。そんな些細な事件で素顔を覚えられているとは、予想もしていなかった**]