[6年間を、この狭い部屋で過ごした。
人生の三分の一に近いほどの時間を、共に過ごした。
最初は手探りで始まって徐々に、少しずつ互いを知った。
素直じゃない、捻くれた下級生だと思った。
自信家のようであるくせに、もしかしたら、
少し寂しいのじゃないかと思ったこともある。
何となく気になって、何となく気に掛けて、
気がつけばいつしか、皮肉と一緒に向けられる気遣いが心地良くなっていた。
顔を見なくても、何となく機嫌が分かる。
言葉交わさずとも、ぽいと丁度いい物が飛んでくる。
別に互いに素直になったわけじゃない。
寄りかかり合いたいわけでもない。
共に同じようにありたいわけでもない。
家族のようで家族と違い、親友と呼ぶのも少し違う。
───これを一体、なんと呼べばいいのだろう……?]