[穏やかな時間だった。窓越しになされる会話の殆どは、部屋の奥で本を読みながら、或いは実験器具を弄りながら、地図を書きながら、耳をすませて聞いているだけではあったが、笑い声交じりの密やかな会話は耳に優しい。ディークとソマリと、時折混じるカークの声。]…[ルームメイトの視線は窓の外へあり、だから口元が和らぐのをそのときばかりは隠さずにもよく、それ故に──その会話は、自分にとっても、居心地が良いものだった。]