[すみません。と、部屋にあがりこみながら、息を吸うと香ばしい匂いが鼻先に微かに届くこともあったか。それを、はっきりと問うたことはなかったけれども。ふと鼻先に差し出されるチョコレートにきょと。と瞬いた。]>>711窓に上がれないようにしようって策略ですか[太れということか、と、匂わす台詞はけれど微かな笑みを含む]───どうも。ありがたく。[その場ではそうしてチョコレートを受け取って──後日に「余ったので」と封の切られていない珈琲豆が届けられる。]