[ほどなく、希望者が並び……]
ほう……。正式採用するには出ていないレア品だから、私物か?
[次にやってきたのはグリップに鐘の意匠の入ったリボルバー。
懐かしさに目を細める]
そうか。御祝いでもらったもので従軍したのか。
大事に使ってくれているな……。
[手際よく解体し油を差しなおす]
これは記念品用に百丁しか作成されていないが、弾倉ごと交換できていてオートマよりも暴発の可能性の低いよい子だし、製作者は100年たっても大丈夫、と太鼓判を推している。
子々孫々と大事に使ってくれ。
[士官学校ではまだ学校にいるくらいの年頃の、カシムと名乗る少年に。
その銃を返した]