人狼物語−薔薇の下国

13 Chant 〜あなたを失い死を知った〜 SIDE:B


傭兵 クロイツ

(茶番もいいところだ)

[再び頭を垂れ、冷えた瞳で笑む。

ディーク・フォン・ベルンシュタイン大佐。
そう名乗る男は、髪を短くしてはいたものの、明らかに知己の面影を宿していた。]

(…弓手側の肩を上げ過ぎる癖がある、――か。
 あれから劇的に狙撃の精度は向上したが、…もう、4年も銃は持っていない、な)
(……誤算だな。此処まで顔見知りに遭うとは)

[内心苦笑しつつ、しかしそれは特に致命的な事態でもない、と思い直す。傭兵として持参している手形が本物である以上、別人と言い張ればそれ以上の追求は不可能だ。

エルンスト・ヒンメルの本名を知る者は、当時の学長と、国許の仲介員、――それに、あと一人しかいない。]

(911) 2013/06/16(Sun) 21:45:56

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