― 回想・最後の朝礼 ―
[最後の食堂での朝礼の際、何時もと違い
傍らには金色の髪した男の姿があった。
その時点で大よその事を察した寮生も居ただろう。]
今日で8年は卒業…留年した奴は…まぁ来年頑張れ。
……俺は当然のようにしなかったからな。
ここを出るタイミングは各自夫々だが、
朝礼は今日で終わりだ。
副寮長が居ない中で、今日までやってこれたのは、
その都度お前らが手伝ってくれたからだ。
今日までありがとう―――礼を言う。
[そう頭を下げると、惜しみのない音が返ってくる。
苦労させられる事も多々あったが、
しみじみと良かったなと思える音だった。]