本当は、フレデリカもこうして送りたかったな…元気で…いてくれるといいけど。[顔を上げ、どこか遠くを見渡すように春霞の空を眺める。 初夏に彼女の帰省を知り、夏にこの地へと戻ってこない事を教えられた。今はどこともわからない遠い地にある妹の様な存在だった少女。「男子生徒として卒業する」という目的を遂げることはできなかったが、せめて健やかに過ごせていたら良い。…できれば、本来の姿で在る事を許されていれば更に良い。記憶の中の笑顔に向かい、そんな事を願っていた。*]