― 狭間 ―[魔の零した幻の美酒は、確かに望んだようにかの娘の力を潤した様子だった。頬に透明な雫落とす仕草に、一度目を伏せ。>>758視線転じれば、銀の月のすぐ傍らにある黄金。魔の刻印受けし太陽の胸奥にもまた、微かな笑みにも似た振動が伝わったのかも知れなかった。全て事成れば、幻の一時は消えゆくもの。ころころと遊ぶ双子に手を差し伸べ、ゆく魔王の傍に闇もまた立つ。 … 、闇に銀の髪が溶けてゆく。続く光景に背を向けて、魔もまた闇のうちに姿を*消した*]