事件後、俺は帝国の家に戻ってて。 外部からの手紙やらは全部、捨てられてたみたいだから。 仮に何か連絡を貰っていたとしても、俺は受け取れていないな。 生きてても、連絡をくれているとは思えないが。 ――……数年前。国外の遠征に行った時に、 鎖の国の、傭兵団の噂をちらっと聞いたことがあって。 そこを纏めてるって男が、――……あいつの本名と同じで。 驚いたことを、覚えている。 俺があいつについて知ってることは、それくらい……。