[何故か居住まいを正しているヴィンセントに、なんとなくこちらも居住まいを正す。とはいえ、薬を投入された時、ごぼごぼともがいていたはずなので、今更格好つけても……という哀しみが] ――………ヒンメル?[久しぶりに唇に乗せた単語は、少し硬い音がした。ヴィンセントはじっとこちらの目を見て、ヒンメルについて問う]