― 6年前の春 ―[連れ出した市街地で、リエヴルがまた涙を零す。逢いに来た。たったこれだけのことで成人した男が泣くなんて、自分のことでなければ、何かの冗談だろうと思うのに。それもまた可愛いと思うのが、我ながら度し難い]