旅人 ニコラス

― 村内/レジーナの宿・糸紡ぎの娘と>>812 ―

[さてそろそろ出かけるかと宿屋を出ようとしたとき、レジーナに呼び掛ける声が耳に入った。]

シルキーさん、こんにちは。お久しぶりです。
僕はちょうど今日戻ってきました。

[挨拶しながらぺこりと頭を下げたあと、両手に抱えられた毛糸玉の袋へ目を留める。]

そうそう。レジーナさん、本日はとてもお忙しいみたいでして。
僕もまだお世話になりますとの挨拶ができていません。

もし会えたら言付けしておきますから、とりあえず今シルキーさんが置いておこうと思った場所へお願いします。

[シルキーが今の時期忙しく駆け回っていることは、三年前の訪問から薄々察している。リーザも掃除の最中だから、受付くらいなら自分がこなしてもいいだろうと判断した。
勿論誰かが途中で割って入ったら、そちらに任せるつもりだ。

一通り話が終わったところで、では失礼しますとその場を後にした。*]