………っ、[気迫。それが声に乗り、剣先に乗る>>818鋭く突き出された切っ先を、咄嗟にかわし切れないと思った。避けるように身体を逸らせながら斧を下げ、受けるではなく切り上げるようにして左手から右に向ける形で跳ね上げる。最悪、剣は受けれど、突きの狙いを逸らさんとする動きだ。─── がっ。と、再び金属の打ち合わされる音がする。咄嗟にとった回避、だが避けきれなかった剣先が男の左上腕を裂いて赤を散らした。船上のどよめきが一際、大きくなる>>824]