― それから ―
[何ヶ月――或いは年単位の時間が過ぎたその後の話。
とある街に『くまくま軒もふもふの館』なる店が出来ていた。
看板を読めばふかふかもふもふとしたクマの着ぐるみが時間制の料金で客を好きに持て成してくれるというコンセプトの店だと知れるその店の経営者は何故か『働いたら負け』というトレーナー>>11を愛用しているというのはとある筋では有名な話である。
『お嬢さんお待ちなさい』
今もクマの着ぐるみが店の最中で客引きをしている様子を眺めながら、店の経営者であり嘗てクマであった男は呟いた。]
いつかまた御縁の繋がる日は来るのでござるかなあ。
[値段にすればたった5ゴールド。
しかしある日から一度も使うことはなかった鈍色の硬貨を肌色の手のひらで*遊ばせながら*]