よーし、柴次郎も柴八郎も柴十郎も、みんないい子だなー。様子はどうだった?
[人間相手には、滅多に見せなくなっていた満面の笑顔で、かわいいもふたちを出迎える。
それぞれに頭を撫で、ご褒美の干し肉を与えて問いかければ。
3頭とも、それぞれにぐるぐるとその場で何度も回りだした]
……ふむ。やっぱりそうか。まあ当然だよなー。
[隠密わんことして調教された3頭のその仕草は、偵察対象である拠点に大きな動きがあるという事を示している。
その犬たちをもふもふと撫で、2頭は再び偵察に送り出し、1頭だけ抱えて拠点内に連れて行く。
ちなみに、犬たちを呼ぶ時のリズムにはいくつかのパターンがあり。
それらを使い分けることで、全部で10頭いる隠密わんこを、それぞれに呼び、それぞれ違う偵察任務に着かせているのである。
名前はそれぞれ、柴太郎〜柴十郎だが、シロウ以外に10頭の見分けがつく人間はいない]