―遠い記憶―『スティ』[懐かしい、優しい声がする]『……スティ、朝だよ。起きよう』[めったに寝坊をすることはなかったけれど、時には夜更かしが響くことがあって]『今日は、海に行く日だよ』[そんなときにはそっと肩を揺すってくれる、暖かな手]『……ほら、こんなにいい天気』[窓の外には、朝の陽光に輝く、美しいシュヴァルベの景色が広がっているのだろう]