――ピィィッ![それよりも少し長く指笛を鳴らして、撤退へと移る。部下の中にも犠牲者は出ている。けれど身を示すものは何も持たせていない。軍学校にも来ていなかった者達だ。ここで一番見つかってはいけないのは、自分。最後に一度だけ、地に伏せているステファンを見た。スティ、と、唇だけが動いて。背を向け駆け出して、闇の中へと消えてゆく*]