[答えられない間に、ステファン・フォン・トライブクラフトは胸を押えながら崩れ落ちていった。
咄嗟に支え、ゆっくりと横たえてしまったのは、この場では大失態というにもほどがある行動だった。
ステファンの名を呼ぶ声が響く。
煙の晴れてきた中で振り向けば、どこか見覚えがあるような>>105けれど知らない、顔。
かつてのルームメイトから飛びのき離れつつ、残る一弾を男に向けて放つ。
魔弾が通じる装飾品を持っていたのか、それとも単に銃弾が顔を掠めたのか、顔を押える男に止めを刺そうと動きかけた時、ピィと甲高い音が鳴った。見張り役の合図だ]