― 滑走路 ―[己が名が思わせるものは知らず。風は、今は荒れぬ凪の態のまま、投げられる問い>>767を聞く。その名を知る者であれば荒れ狂う兆しもある、と容易く覚れようが、生憎ここにはいなかった]……そ。いーい風や思わん?[く、と笑みを零して一つ頷き]そーですねぃ。……望まれるのであれば、吹き荒れるがオレの流儀。ただ、今は、様子見、ってぇとこですか。[先に聞こえた声の主は、劣勢にあれど弱音を吐く様子はない。なれば、手を出しはしないのが風の在り方──だが]